一つの木片から鳥を彫り出して彩色する… 簡単に言えば、それがバードカービング(野鳥彫刻)です。 バードカービングを作る素材は 日本産の木材ではシナ、ホオ、カツラ、ヒバなどがよく使われます。 外国産ではマレーシアやインドネシアで産出するジェルトン, アメリカ大陸で取れるチペロが有名ですが、 最近では南アフリカ原産のアユース等も使われています。 工具は、切り出しナイフと彫刻刀があれば誰でも作ることができます。 また、細部の表現をするためにグラインダー(電動工具)や バーニングペン(焼きごて)も使用されます。 彩色には、アクリル絵の具が好適です。 この絵の具は水性なので扱いやすい上に乾燥が速く、 完全に乾燥すると油絵の具ほど丈夫で退色もしません。 出来上がった「鳥」がメジロであったら、梅や椿の小枝に止めて台座に固定します。 時間と根気のいる作業ですが、完成した時の喜びはまた格別です。 ●バードカービングの歴史 1800年頃 アメリカではカモ猟の「おとり」として 鳥の木型(デコイ)が使われていました 1940年頃 「おとり」としての実用品から 野鳥の姿がリアルに彫刻された工芸品が作られ バードカービング(野鳥彫刻)という言葉が誕生しました 日本では1979年に バードカービング が始めて紹介されました その後 公民館やカルチャーセンター等で講座が開かれ 多くの教室・クラブが誕生しました さらに 博物館などで「鳥を正確に表現する資料」として バードカービングを展示するようになりました 今では 技術が向上し 作品のスタイルも多様化し 日本各地で 多くの方がバードカービングを楽しんでいます また バードカービングを通じて野鳥や自然と触れ合うことで 自然保護に対する意識の向上にも役立っています 日本バードカービング協会の発足
|